健康一言アドバイス

眼瞼ミオキミア(まぶたのピクピク)

眼瞼(がんけん)ミオキミアとは、上まぶた、または下まぶたの一部がピクピクする状態のことを言います。左右どちらかの眼の下まぶたに起こることが多いと言われています。自覚症状は軽いことが多く、眼を開けたり閉じたり(開瞼閉瞼)することもできます。
一時的なものが多いですが、長く続く場合もあります。
今回はそんな眼瞼ミオキミアについてのお話です。

眼瞼(がんけん)ミオキミアのイラスト

原因って何なのかな?

疲労やストレス、睡眠不足が誘因になると言われています。最近では物を飲み込む運動(嚥下運動)で誘発されるという報告もあります。
末梢神経が興奮する時の変化が関わっているかもしれないと言われていますが、まだはっきりとした原因はわかっていません。

疲労のイラスト

他に似ているものは?

眼瞼ミオキミアと似ているものの中には、眼瞼けいれんや片側顔面けいれんがあります。
眼瞼けいれんは眼を閉じる(閉瞼)時に使う筋肉が過度に収縮することによって、無意識のうちにまぶたが閉じる状態です。眩しい、涙が多いなど眼の症状を伴うことが多いです。
眼瞼けいれんは、パーキンソン病や脳梗塞など脳の病気が原因の症候性けいれんや、抗うつ薬、抗不安薬など一部のお薬が原因の薬剤性けいれんと、他に原因がない本態性けいれんがあります。
一方、片側顔面けいれんは眼の周辺から始まり、徐々に口元や首まで顔の片側だけがけいれんする状態です。顔面神経が周囲の血管などに圧迫されて起こることがあります。

治療法は何がありますか?

眼瞼ミオキミアは基本的には数日間から数週間で自然と治ります。規則正しい生活や睡眠を心がけることも大切かもしれません。
生活を良くしても長い間症状が続く、まばたきできない、あるいは顔まで広がるようなけいれんの場合は、他に身体の病気などがないか調べてもらうためにも医療機関を受診することも考えましょう。
眼瞼ミオキミアと診断され、慢性的に持続する場合はボツリヌス毒素注射という治療をする場合もあります。しかし、ボツリヌス毒素注射の効果は平均4ヶ月程度で切れてしまうため繰り返し注射することがあります。また、瞼が下がったり(眼瞼下垂)、眼が閉じなかったり(閉瞼不全)する副作用もあるため、医師としっかり相談した上で治療を考えていく必要があります。

眼科 医師 原田 純直

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