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令和6年能登半島地震  DMAT(第一陣) 活動報告

この度の石川県能登地方を震源とする地震で犠牲となられた方々に謹んでおくやみを申し上げるとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

震災発生後、石川県より中部地方の各県に対し、DMAT(災害派遣医療チーム)派遣要請があり、三重大学病院では、発災翌日の1月2日(火)に災害対策本部を立ち上げ、6名のDMAT派遣を決定しました。
同日、当院のDMATは、現地に向け出発し、被害の大きい石川県内の病院にて、2日間の災害支援活動を行いました。

当院では、第二陣、第三陣のDMAT派遣に向け準備を進め、第二陣につきましては、1月6日(土)に出動しています。
今後も引き続き必要な支援を提供できるよう、体制を整えてまいります。

帰院したDMATから出迎えた院長に活動の報告を行った。

DMATとは
大規模災害の際に、現場で医療活動を行うため、専門的なトレーニングを受けた医師、看護師、医療関連職員により構成される医療チーム。

活動概要

1月2日(火)

  • 当院の緊急会議にてDMAT派遣を決定、メンバー6名(医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士)を選出
  • 当院のDMATが石川県の被災地に向け出発

1月3日(水)

  • 早朝、現地で三重から派遣された他のDMATと合流
  • 被害が大きかった地域の災害拠点病院のトリアージの赤・黄色エリアを中心に、4日明け方まで診療支援を実施

1月4日(木)

  • 車内で休息後、朝から活動を再開
  • 2隊に分かれて、自衛隊ヘリ患者搬送の活動を支援
  • 三重大学病院のドクターカーと公用車を活用し、金沢市内の病院へ患者搬送

1月5日(金)

  • 朝、金沢を出発、15時30分に三重大学病院に帰院
  • 活動メンバーより活動内容についての報告を行い(報告式)、第二陣DMATへの情報を引き継ぎ

第一陣として出動した当院DMATメンバーのコメント

新貝医師(救命救急・総合集中治療センター) 

三重大学病院のDMAT第一陣として、1月2日から5日まで、能登半島地震への災害医療派遣に行き、最も被害が大きいとされる病院の支援を行いました。
大変な活動でしたが、被災地の方々のお役に少しでも立てていたらと思います。

山口医師(救命救急・総合集中治療センター)

現場では、自分たちの力不足を実感する場面もありましたが、自分たちの出来ることを6人でやってきました。被災された方々の一日も早い平穏な生活の回復を心からお祈り申し上げます。

寺村看護師(看護部)

三重大学病院の職員の皆さんのおかげで第一陣として出動できました。
災害時の活動支援は、平時の業務の実践力が重要なベースになると思いました。次にくる災害に向けて、今回の経験を活かしていきたいと思います。

瀬野看護師(看護部)

三重大学病院の職員の皆さんの協力によりDMAT第一陣として出動できたことに感謝しています。
自分の経験をどう院内の災害医療に生かせるか、より多くの人々にこの経験を知ってもらうにはどうすればよいのかということを考えていました。それが今後の課題であると感じています。

森川薬剤師(薬剤部)

災害時には、被災地の需要を確認した上での対応が求められますが、発災直後でそれが確立されていない状況でした。情報を引き継いで、次の支援へつなげていくこと、切れ目のない医療を提供することが大事だと思います。

行光臨床工学技士(臨床工学部)

DMAT第一陣として、震災直後で医療環境が十分整っていない地域で活動しました。貢献できていたらよかったと思います。
この経験を、今後、三重県で起こりうる災害にも活かしていければと思います。

DMAT第一陣(左から瀬野看護師、森川薬剤師、山口医師、寺村看護師、行光臨床工学技士、新貝医師)

三重大学病院は、万が一の災害時に地域の救急医療を担う「災害拠点病院」に指定されています。
災害発生時に、災害による負傷者への対応だけでなく、入院患者さんの医療を継続するという複数かつ重要な役割を適切に実行できるよう、当院では平時から様々な取り組みと準備を行っています。
Online MEWS「医療と防災」では、当院の防災対策やみなさんに役立てていただける防災のヒントをお伝えしています。

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