健康一言アドバイス

コロナ禍の冬に忍び寄る 「ヒートショック」

ヒートショックって何?

我々の身体は、環境の変化に合わせて体温を一定に保つ機能を兼ね備えています。温度の変化が穏やかであればさほど問題はないのですが、暖かいところから急に寒いところへ行くと、熱を奪われてしまい、血管が縮み血圧が上昇します。このような血圧の急激な変化は、ゾクッとして体感できるほど大きなもので、心筋梗塞や脳卒中につながり、命に関わる危険なものとなります。

ヒートショック対策

服を脱いでから浴槽に入るまでに「寒い」と感じる経験はありませんか?ヒートショックが起こりやすいのは、冬場の浴室です。1) 入浴の前に脱衣所や浴室を暖める、2) お湯の温度は41度以下、つかる時間は10分までを目安にする、3) 首までどっぷりお湯につからない、浴槽から急に立ち上がらない、長湯をしないなどを気をつけましょう。

コロナ禍での新たなヒートショック対策

コロナ禍で迎えた初めての冬。「ヒートショック」のリスクは入浴以外にも潜んでいます。それは感染対策で行う「換気」です。換気の目的は、マイクロ飛沫を薄めることであり、決して「部屋を寒くする」というわけではありません。1) 窓を全開せずに複数の窓を少しずつ開け換気する、2) 室温が一気に下がらないよう部屋にヒーターで温風を送り込みながら換気する、3) 加湿器などで乾燥を防ぐとともに室温の低下を感じにくくするなどに心掛けましょう。

循環器内科 中森 史朗

「健康一言アドバイス」では、医療や健康など皆さんに身近な疾患や気になる話題を取り上げ、その領域の専門家がわかりやすくお伝えしています。

関連記事

ページ上部へ戻る