健康一言アドバイス

コロナうつ

新型コロナウイルスの影響により、多くの人がストレスによる心理的不調を感じています。その不調の状態が一般的に言われている「コロナうつ」です。この半年で、コロナ禍とうつ状態の関連性を解析した研究論文は世界で600以上発表されており、世界的な社会問題になっていることがうかがえます。

コロナうつの特徴的な症状は?

なんとなく不安、やらなければならないことが手につかない、不眠に悩むなど様々です。コロナ禍特有のものというより、私たちが強いストレスを感じたときに表れやすい気分的に元気がない状態です。「コロナうつ」が“うつ病”の原因にならないとは言い切れませんが、その二つは分けて考えた方がよいと思います。ただし、気分が極度に落ち込む状態が長期にわたる(特に感染の収束後も続くなど)、身体的な不調があるような場合は注意が必要です。

コロナうつならではの原因は?

生活スタイルの急激な変化、コミュニケーション不足、社会沈滞ムードの影響などがあげられます。また感染への不安、感染した時の差別や偏見への恐怖、先行きへの不安、制約への怒りなども原因になり得ます。「コロナうつ」は、ウイルスそのものの感染ではありませんが、心理的・社会的感染症といわれることがあります。

対処法は?

こんな時期は誰でも気分が落ち込みます。必要以上にその状態に神経質にならず、3密を避けながら、できるだけ従来の生活リズムを維持し、近しい人とのコミュニケーションを大事にすること。それが、今以上落ち込まないために重要なのではないでしょうか。以前のようにご自由に!そんな日が一日も早く来ることを願っています。

精神科神経科 科長 岡田 元宏

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