
3大学合同防災訓練
南海トラフ地震では、広範囲にわたる大きな被害が予想されています。このような大規模災害への備えとして、災害時でも高度な医療を維持するために2022年3月から三重大学、藤田医科大学(愛知県豊明市)、浜松医科大学(静岡県浜松市)の3大学は災害時の医療連携を目的とした災害時医療連携協定を結んでいます。
「医療と防災」27回目では、この協定におけるはじめての実動訓練となった3学訓練の様子をご報告します。
当日の訓練内容
訓練は「南海トラフ地震の発生から数週間が経過し、藤田医科大学病院の周辺地域の産科医院からの帝王切開の受け入れ依頼の増加。さらに避難所での感染症患者の診療などで非常体制が継続しているため、三重大学・浜松医科大学へ支援を要請した」との想定で実施されました。
3大学の病院関係者を中心にWeb会議が行われ、被災の様子や医療の逼迫の状況、不足している医療物資を確認し情報共有がされました。また当院から医師、看護師、事務計5名をドクターカーで派遣し、医療物資を公用車に積み込み現地へ向かいました。到着後は派遣された5名へ担当業務の説明や、医療物資の受け入れ体制について確認をおこないました。
訓練を通じて、災害時における医療支援体制の構築や情報共有の重要性を再確認することができました。今後も定期的に訓練を実施し、災害時の対応力の向上を目指してまいります。




訓練を終えて~参加者の感想
事務職員
他施設への支援を想定した訓練には初めて参加しました。
施設に到着してからは、物品搬入から支援する業務の説明まで速やかに行われたほか、支援者には特別室を用意するなどのストレス軽減対策まで想定されており、関わった方々が現実感を持って対応していることを強く感じました。
訓練後の施設案内、広報のあり方なども含め、事務としても参考にすることが多くありました。
今後、3大学が協力し連携を継続することで、各大学に良い影響が生まれることが重要だと思います。
薬剤師
この度3大学合同訓練に参加させていただきました。災害対策は一部の人だけでなく、みんなで備えていくことが重要だと改めて感じました。
今後院内の災害対策にさらに貢献できるよう努めたいと思います。
医師
三重県は、南海トラフ地震では非常に多大な被害が出ることが予想されています。
支援を受ける立場となった時、大切なのはふだんからのFace to Face、人と人のつながりだと感じます。本訓練ではそういったつながりや実際の移動の距離感を知るということがとても重要だと思いました。
三重大学病院は、万が一の災害時に地域の救急医療を担う「災害拠点病院」に指定されています。
災害発生時に、災害による負傷者への対応だけでなく、入院患者さんの医療を継続するという複数かつ重要な役割を適切に実行できるよう、当院では平時から様々な取り組みと準備を行っています。
Online MEWS「医療と防災」では、当院の防災対策やみなさんに役立てていただける防災のヒントをお伝えしています。