VOICE

がん放射線療法看護認定看護師 岩﨑千代子看護師長

放射線治療に関わる看護の専門知識を基に、放射線治療を受ける患者さんの意思決定のサポートや看護を提供する「がん放射線療法看護認定看護師」。今回のVOICEは、がん診療連携拠点病院である当院でその第一号となった岩﨑看護師長にインタビュー。その資格を目指したきっかけは、ある患者さんとの出会いだったとか。
それ行け!三重大学病院。それ行け!岩﨑がん放射線療法看護認定看護師。患者さんが安心して放射線治療を受けられるように。

*認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を持つとして、厳しい条件や審査に基づき、日本看護協会が認定した看護師のこと。

看護部 看護師長
がん放射線療法看護認定看護師岩﨑 千代子
看護部 看護師長 岩﨑 千代子

「がん放射線療法看護認定看護師」の役割は、どういうものですか。

患者さんやご家族が、がん放射線治療についての意思決定を行う際の支援を行っています。安心して治療を受けられるように、気がかりになっていることがないかをお聴きし、適切な情報を提供したりしながら、不安を軽減できるよう努めています。
また、放射線治療による副作用が見られた場合には、患者さんに適切な看護ケアを提供するだけでなく、院内のスタッフに対し、症状緩和や今後の見通しについて専門的知識に基づいた指導や助言も行います。

がん放射線療法看護認定看護師の主な役割

がん放射線療法看護認定看護師は、2022年12月現在、全国で372名とまだ数は多くありません。その資格を目指したのには、何か理由があったのでしょうか。

実は、5年ほど前、頭頸部がんの治療で化学放射線療法を受ける患者さんに関わる機会がありました。その方は、放射線の照射による副作用として皮膚に炎症が出たため、ケアを提案していましたが、なぜかご自身がよいと思われたケアを続け、結果的に皮膚の症状が進行してしまいました。
ご提案のケアを行わない理由をお尋ねしても、答えを聞くことができなかったのですが、ある日、「看護師によって言うことが違う。バラバラなことを言われてもこちらはわからない」との言葉を聞き、ハッとしました。
なんとかして差し上げたいと、看護師はそれぞれにいろいろな提案をしていたのですが、その理由までを十分伝えられていませんでした。患者さんは、看護師の提案に一貫性がないと感じて、受け入れられなかったのだと気づきました。

より専門的な知識が必要だと感じた瞬間だったんですね。

はい。看護師は皆、患者さんの苦痛や不安を可能な限り軽減したいと常に考えています。放射線治療を受けようとする患者さんをどのように支援するのか、副作用の軽減のためのケアをどう説明し、どう提供するのかなど、より専門的な知識を持つスタッフが必要だと考え、がん放射線療法看護に特化した認定看護師を目指しました。

放射線療法を受けられる患者さんに対する看護で、特に意識していることはありますか。

がん治療の3本柱は、手術療法、化学療法、放射線療法です。放射線療法は、他の二つに比べると、実際に受けた人が身近にあまりおらず、具体的なイメージもないという患者さんが多い印象を受けます。また、日本が唯一の被爆国ということもあり、「放射線」という言葉に不安を抱かれる方もいます。
まずは、放射線治療を正しく理解した上で、患者さんが安心して治療を選択できるようにサポートすることを大事にしています。

がん放射線療法看護認定看護師として、これからどのように活動していきたいと考えていますか。

がん診療連携拠点病院である三重大学病院で活動するがん放射線療法看護認定看護師として、県内のがん看護の発展に微力ながら尽力していきたいと思っています。
また、当院の放射線治療室は、県内で唯一、小線源治療による組織内や腔内照射を行っている施設となります。他施設からの紹介で受診される方も多いので、安心して紹介元に戻れるサポートのあり方についても検討を進めていきます。
将来的には、当院のがん相談窓口を通じて、県内の他の医療機関の放射線治療部門とも連携を取れるような体制を作れればと考えています。

放射線治療を前に不安を感じる患者さんへメッセージをお願いします。

放射線治療を未知なものと受け止めている方、放射線治療中や治療後をイメージしにくい方などさまざまいらっしゃると思います。治療経過で起こる副作用には個人差もあります。
何が気がかりなのかを聴かせていただいて、対策を一緒に考えていきますので、遠慮なく不安な点をご相談ください。

看護部 看護師長 岩﨑 千代子

看護部 看護師長
がん放射線療法看護認定看護師 岩﨑 千代子

近年、コロナ禍で県外に行くことも自粛していましたが、呼吸器感染症の流行状況を確認しながら、そろそろ旅行に出かけたいと思う今日この頃です。

医療スタッフや事務職員、外部委託のスタッフを含め、三重大学病院の日々の運営に携わるのは、総勢約2500人。表から、裏から様々な形で関わるその一人ひとりの力や想いが、平常通りの診療を支えています。
安全な診療、優れた診療、質の高い診療、いずれも技術や設備だけでは成し遂げられません。
VOICEのコーナーでは、いろいろなスタッフの声を通して、三重大学病院の診療に欠かせない「人」としての側面をお伝えします。

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