医療と防災イメージ

令和6年能登半島地震の被災地へのDMAT等派遣状況
(2024年1月19日~1月29日)

令和6年1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」により犠牲となられた方々に謹んでおくやみを申し上げるとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の一日も早い復旧をお祈りしています。

三重大学病院では、発災翌日である1月2日(火)に当院のDMAT(災害派遣医療チーム)の派遣を決定し、第一陣が現地に向け出動しました。その後もDMAT、およびJDA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)のメンバーとして管理栄養士を派遣し、現地の災害拠点病院や避難所などで活動を行っております。

また、三重県では1月17日(水)から、今回の能登半島地震対応時に限りDMATの編成基準が緩和され、条件を満たす場合にはDMAT資格を持たない職員の派遣も可能になりました。
当院では第四陣から救急救命士や看護師を派遣し、DMAT隊員と共に被災地で災害支援を行いました。

今後も被災地域のニーズに合わせて、医療救護班や各職種の派遣を行うなど、当院としてできうる支援を行う予定です。

DMAT第四陣

期間2024年1月19日(金)~1月23日(火)
派遣内容医師1名、看護師1名
DMAT補助要員(救急救命士4名)
派遣先石川県輪島市、他
主な活動・翌日の転院調整
・夜間救急外来診療
・三重大学病院のドクターカーによる石川県内の病院への患者搬送
隊長コメント2011年の東日本大震災の時は研修医ながらチームに帯同させていただき、力の足りなさを実感しました。あれから10年以上が経過し、今回は、正式なDMATとして、またその隊長として、現地で約3日間の活動を行ってきました。チームにも恵まれ、できる限りの支援を行えたのではないかと思います。
被災された地域は、まだまだ継続した支援が必要です。一日も早い復興をお祈りいたします。
一方で、いつか三重県が被災する可能性もあります。その際には今回の経験を活かし、まず一歩踏み出せる自分でありたいと思います。
(総合診療科 山本貴之)
救急救命士(非DMAT)の
コメント
DMAT第四陣として、三重大学病院からハイブリッドワークステーション(以下 HWS)の救急救命士4名を派遣していただきました。
私たちHWSは、派遣にあたり次の目標を掲げました。第一に「被災者にできる限り寄り添った活動を目指すこと」、第二に「タスクシフトとしての活動を充実させること」、第三に「救急救命士の資格を活かした活動を行うこと」です。
実際の活動では、自衛隊への搬送支援業務や救急外来受付業務、三重大学病院ドクターカーを使用した転院搬送を2件、そしてDMATのロジスティック業務を行いました。少しでも被災者のお役にたてたなら幸いです。
これからも連携や協力による救急医療の発展にチャレンジして行きたいと思います。
(救命救急・総合集中治療センター/津消防 富田泰成)

ハイブリッドワークステーションとは
近隣市から派遣された救急救命士が当院の救急救命センターにて、救急医のタスクシフトとして業務を行うことで医療知識・技術の専門性を高める、当院独自の取り組みのこと。

DMAT第五陣

期間2024年1月25日(木)~1月29日(月)
派遣内容医師2名(先発隊1名、後発隊1名)、看護師1名、業務調整員(薬剤師)1名
災害支援ナース1名
派遣先石川県輪島市、他
主な活動・石川県内の病院へ患者搬送
・夜間救急外来診療
・カルテ整理や院内の食料整理など病院機能再開に向けた院内復興支援
・物資調達
隊長コメント三重大学病院のDMAT第五陣として、主に現地の病院支援をさせていただきました。
第五陣には第一陣のメンバーが2名参加し、第一陣のころと比較すると道路状況が良くなっていることなど、少しずつ復興に向かい始めていることを実感しました。一方で支援にあたりました病院もまだ水道が使用できず、日常生活に戻るまでまだ時間を要する印象でした。少しでも被災地の方々のお役に立てればと思います。
日本はどこでも震災など災害が発生する可能性があり、三重県で同様のことが生じたときのためにも備えていきたいと考えます。
(脳神経内科/認知症センター 新堂晃大)
看護師(非DMAT)の
コメント
今回非DMAT看護師として参加させていただきました。派遣先には20名強の災害支援ナースが派遣され、外来受診再開に向けた準備段階でした。その中で診療報酬再開に向けたカルテ整理などを担当致しました。現地の日常生活や病院機能の再開に向けて継続した支援がまだまだ必要であると感じさせられました。
また、病院機能再開に向けた支援を通じ、災害時への備えについて考える機会となり、貴重な経験をさせて頂きました。
(総合サポートセンター 本多正繁)

JDA-DAT第二陣

期間2024年1月19日(金)~2024年1月22日(月)
派遣内容管理栄養士1名
派遣先石川県七尾市、他
主な活動・被災地への特殊栄養食品の運搬
・避難所の食事状況調査
コメント今回私たちは特殊栄養食品の運搬と需要の調査を行い、後発部隊へ支援活動を引き継ぎました。
主要な避難所では、食品などの支援物資が少しずつ届き始めている様子でしたが、小規模避難所においては、いまだ現状把握ができていない部分が多くありました。特に、要配慮者(高齢者・乳幼児・アレルギー等)に対する支援活動や個々に見合った食料品の支援が必要と感じました。
JDA-DATとして必要な支援が継続的に届けられればと思います。
(栄養診療部 森貴宣)

三重大学病院は、万が一の災害時に地域の救急医療を担う「災害拠点病院」に指定されています。
災害発生時に、災害による負傷者への対応だけでなく、入院患者さんの医療を継続するという複数かつ重要な役割を適切に実行できるよう、当院では平時から様々な取り組みと準備を行っています。
Online MEWS「医療と防災」では、当院の防災対策やみなさんに役立てていただける防災のヒントをお伝えしています。

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