取り組み

三重大学 学問探究セミナー

三重大学では、将来の学びの方向性をより深く探るきっかけになればと、年に一度、高校生を対象とした「学問探究セミナー」を開催し、各学部が様々な講座を開きます。
7月から8月にかけて行われた今年のセミナーでも、医療の道に関心を持つ高校生たちを、大学病院を教室にした医学部主催の講座にお迎えしました。
今年の医学部医学科のプログラムを統括した吉山繁幸 准教授からの報告です。
それ行け!三重大学病院。それ行け!学問探究セミナー。高校生たちの未来を応援するために。

医学医療教育学 准教授
三重大学高等教育デザイン・推進機構 アドミッションセンター 准教授
消化管・小児外科 吉山繁幸

三重大学「学問探究セミナー」とは

三重大学と高等学校が連携して、平成17年度に始まった取り組みです。高校生に三重大学で学ぶ機会を提供し、高校生自らが大学で進められている研究や教育についての理解を高めるとともに、進路決定上の指針を得ることを目的としています。
少人数で行うことにより、教員や大学生・大学院生と接する機会が多いことが特色です。

今年の医学部医学科のプログラム

三重大学医学部医学科としましては、「外科医入門講座!!ちょっと手術を体験してみよう!」をはじめ、大学病院内を探索しながら実際の医療現場を見学する「病院へ行こう!」、血液型検査の実習・体験や研究に関する講義を含めた「輸血検査の実習と、輸血・細胞療法の現状と将来について」、リハビリテーション科の仕事を体験できる「病気を診ずして病人を診るリハビリテーション科医のお仕事体験」と、今回も多岐にわたる対面型のセミナーを開催しました。

また、医療におけるメタバースやバーチャルリアリティーなどの利活用可能性について考える「メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性」は、メタバース空間に集まって進行しました。

三重大学「学問探検セミナー 2024」医学部医学科のプログラム

講座概要
病院へ行こう!手術室やERを含む医療施設を見学しながら、医療従事者の生の声も聞ける、大学病院の探検ツアー。
輸血検査の実習と、輸血・細胞療法の現状と将来について血液型検査の実習体験や免疫・細胞医療などに関する講義の他、研究の魅力や海外留学の体験談もシェア。
輸血実習と、再生医療・細胞免疫療法の進歩iPS細胞を用いた再生医療、がんに対する分子標的療法や細胞免疫療法の歴史や最新動向を紹介。
病気を診ずして病人を診る:
リハビリテーション科医のお仕事体験
リハビリテーション医学、リハビリテーション科医師の仕事を知るための実習体験。
外科医入門講座!!
ちょっと手術を体験してみよう!!
外科医をファシリテーターに、基本の縫合処置や外科医が行う腹腔鏡手術を人工皮膚やシミュレーターで体験。
メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性メタバースやバーチャルリアリティーの活用など、デジタルヘルステクノロジーの可能性について、メタバース上で意見交換。

医療を知っていただくための体験を重視

先ほどご紹介したように、対面実習では、特に体験の機会を多く設けています。医療という分野は幅広いので、実際に体験することで医療に対するイメージがより明確になり、より興味を持ってもらえるだろうという理由です。

一言で医療といっても様々なニーズがあり、様々な分野で社会貢献が可能であることを、こうしたプログラムを通じて知っていただけたのではないかと考えています。

外科医から学ぶ縫合の体験プログラムが好評だった「外科医入門講座!!」

「医師になりたい気持ちが高まった」

終了後のアンケ―トでは、回答してくれた参加者のうち、全員が内容に満足したとありました。

自由回答の欄にも、「医師になりたい気持ちが高まった」、「シミュレーターでの手術を体験でき、医師の仕事について学べて良かった」、「患者さんに寄り添えるような医師になりたいと思った」、「医師へのイメージが変わった」、「外科医の先生たちが優しくて安心して手術体験できた」、「難しかったが、楽しかった」など、概ねポジティブな感想をいただいております。

今後もこのようなセミナーを実施していく予定です。体験型のためどうしても人数に制限がありますが、奮って参加いただければと思っております。

医学部を目指すみなさんへ

最後に、今回参加してくれた高校生を含む医学部を目指すみなさんにメッセージを記したいと思います。

私自身が医師になりたいと思ったきっかけは、小学校の時に病気で入院したことでした。主治医の先生が優しく、こんな先生になりたいと思いました。高校の時に成績が下がり、医学部受験が危ぶまれた時期もありましたが、医師になるという固い意思を支えにして勉強をがんばることができました。

セミナーの感想にもありましたが、医師としては、やはり患者さんに寄り添う姿勢というものが非常に大事であると考えています。学業のみならず、人間性を磨き、医学部にチャレンジしてください。

医学医療教育学 准教授
三重大学高等教育デザイン・推進機構 アドミッションセンター 准教授
消化管・小児外科 吉山繁幸

地元四日市高校から三重大学医学部に進みました。好きな食べ物はカツカレー、うなぎ、から揚げ、ハンバーグなど、嫌いな食べ物は納豆です。趣味は音楽鑑賞やゲームですが、ゲームは最近できておりません。

教育では、現在、医学部1年生から6年生まですべての学年に関わっており、地域基盤型保健医療教育実習では指導教員であるとともに総括も担当しております。医師になるためには幅広い知識の習得が必要ですが、プロフェッショナリズムについても身に着ける必要があり、そのようなことにも留意して教育を行っております。

診療においては、消化管を専門とする外科医として、手術(緊急手術含む)の技術向上に努めてまいりました。また、がん治療に関しては、化学療法も行っています。患者さんに寄り添った治療を常に心がけております。

三重大学病院は、特定機能病院として、また地域医療の拠点として、三重県や近隣県の患者さんに安全で質の高い医療を提供するために、さらには、研究や人材育成を通じて日本のみならず世界の医療の発展に貢献するために、いろいろな活動に取り組んでいます。
「取り組み」のコーナーでは、こうした活動をピックアップしてご紹介しています。

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