VOICE

栄養診療部 小出栄養士長

患者さんの治療を「食」の面から支える。こんなミッションを持つのが、管理栄養士で構成されている栄養診療部です。病気や治療内容などに基づき、摂取カロリーや栄養素をただ計算するだけでなく、食べることで心のエネルギーにもなってほしいという想いが共有されています。
そんな栄養診療部に、この春、管理栄養士を取りまとめる新たな士長が就任しました。
今回のVIOICEは、「食べることは、生きること」だと話す小出新士長です。
それ行け!三重大学病院。それ行け!小出士長。食を通じて、患者さんの治療のサポートするために。

栄養診療部の新しい士長としての抱負を聞かせてください。

栄養診療部は、若手部員中心の構成になっています。部員が個々の目標を達成でき、業務に自信がもてる環境を整えたいと思います。そして、協調性に富み、医療・福祉に貢献できる人材を育てることが目指すところです。

栄養診療部 
副部長 栄養士長 小出知史

その抱負の下、特に力を入れていきたいことはありますか。

一つは、個々のスキルアップとして、認定資格や学位の取得を進めることです。また、仕事以外にも様々なことに取り組み、豊かな人間性を構築できるような環境を作っていければと思っています。

それによって、結果的に患者さんの治療を支える栄養管理の力を部全体でさらに高めていきたいと思います。

管理栄養士としては、三重大学病院以外でも様々な経験を重ねてきました。

2023年に三重大学病院の栄養診療部に入るまでは、和歌山県田辺市にある社会保険紀南綜合病院(現:紀南病院)と和歌山県立医科大学附属病院に勤務し、主に糖尿病を持たれている方の食事面での支援や、栄養サポートチームにおけるチーム活動、外来化学療法室におけるがん患者への栄養サポートなどを行っていました。

またその間、熊本地震被災地での日本栄養士会栄養支援活動や、平成23年の紀伊半島大水害の被災地でのボランティア活動にも参加しました。

病院内、災害被災地に関わらず、管理栄養士は、食の面から患者さんを支える仕事です。食の意義をどんな風に考えていますか。

「食べることは、生きること」だと考えています。
時によって、食べる意味や風景は変わりますが、私自身は、食というのは、生きることを豊かにできるものと思っています。

それは、患者さんにとっても同じ、あるいはより大きな意味があると思います。しかし、「しっかり食べないと」と思うあまり、食事がつらくなってしまうこともあります。その時々の状況にあわせて、少しでも食べる喜びや安心感を得ていただきたい思います。

そうした思いをベースに、三重大学病院の栄養診療部で大事にしている活動はありますか。

栄養診療部が大事にしている活動はいろいろありますが、そのテーマの一つが、がん患者さんのための栄養や食事の管理です。

例えば、がん治療を行っている患者さんの声を形にした食事「ケア食」の運用を令和6年7月より開始しました。患者さんの状態に合わせて対応できるよう、「さっぱり」と「こってり」の2種類のメニューがあり、好評を得ています。
各病棟に担当の管理栄養士を配置していますので、気軽に相談していただければと思います。

また、外来化学療法室において、治療中の時間を利用した栄養指導を実施しています。予約相談だけでなく、当日のお申込みにもできる限り対応できるようにしています。
今後は、認定資格を持った管理栄養士の配置を増やしたいと思っています。

現在16名の管理栄養士が所属する栄養診療部・チーム小出。
森貴宣 副栄養主任(写真左)と成田真奈 副栄養主任(写真右)が脇を固める。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

先ほども触れたように、食べることは生きることにつながります。栄養診療部の全員で、食べることを通じて、患者さんの治療のサポートができればと思っています。
ご希望があれば、栄養指導など個別のアドバイスをご提供することも可能ですので、お知らせください。

また、栄養診療部の部員が開発した健康レシピをこのOnline MEWSでご紹介しています。こちらもぜひご参考ください。

栄養診療部
栄養士長/管理栄養士 小出知史

管理栄養士を目指したのは、家族の糖尿病の治療がきっかけです。出身大学が鈴鹿市にある鈴鹿医療科学技術大学でしたので、三重県は学生時代から身近なところです。大学ではラグビー部に所属しており、リーグ戦で三重大学との対戦経験もあります(負けましたが…)。
趣味は魚釣りです。海に囲まれた本州最南端の町(串本町)で、生まれ育ちましたので、小さいころから魚釣りは、遊び?はたまた日課?の一つで、今でもずっと続いています。三重県に来てから行けていないので、そろそろ行く頃合いかと思っています。

医療スタッフや事務職員、外部委託のスタッフを含め、三重大学病院の日々の運営に携わるのは、総勢約2500人。表から、裏から様々な形で関わるその一人ひとりの力や想いが、平常通りの診療を支えています。
安全な診療、優れた診療、質の高い診療、いずれも技術や設備だけでは成し遂げられません。
VOICEのコーナーでは、いろいろなスタッフの声を通して、三重大学病院の診療に欠かせない「人」としての側面をお伝えします。

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