「三重県 膵がん早期発見プロジェクト」
身近なかかりつけ医で膵がんのリスク診断が可能になりました。
三重県、三重大学病院、および三重県医師会は、この度、膵がんを早期に発見するための取り組みとして、「三重県 膵がん早期発見プロジェクト」を立ち上げ、2023年1月から三重県全域でスタートしました。
このプロジェクトは、自覚症状も出にくく、早期発見が難しい膵がんの“リスク因子”を、みなさんのかかりつけ医であるクリニックにて診断し、三重県内の膵がん患者さんの早期発見と早期治療を目指すものです。
膵がんは、自覚症状が出にくく、他のがんと比較して早期発見が難しいという特徴があります。よって、症状が出て、発見されたときには、すでに進行しているというケースが多いのが実状です。
そこで、このプロジェクトでは、身近なかかりつけ医で、問診や血液検査、エコー検査をもとに積極的なリスク診断を行えるようにしています。このリスク診断は、膵がんに特徴的な一定の指標を導入しているので、専門医でなくても判断ができるようになっています。
もし、リスク因子が多いと判断された場合には、念のため、地域の中核病院や三重大学医学部附属病院での精密検査を受けていただくようご案内します。
また、精密検査により、万が一、膵がんが認められた場合には、地域の中核病院や三重大学医学部附属病院での膵がん専門医による治療へ迅速に移行できるよう連携します。
このプロジェクトは、2022年から津市を先行モデル地区として、三重大学病院、津市内の中核病院、津地区医師会、久居一志地区医師会の連携により行われており、すでに通常発見が困難とされる10㎜以下の超早期の膵がんが発見され、早期治療につながったという患者さんが複数います。
このプロジェクトを主導する三重大学病院の消化器・肝臓内科の山田玲子医師からのメッセージ
膵がんは、国内で年々増加傾向にあり、がん死亡者数では第4位となっています。
また、難治性がんの代表格で、5年生存率は10%未満です。
しかしながら、早期に発見し、治療を開始することで、予後が大きく改善され、5年生存率が高まることがわかっています。よって、膵がん治療では、早期発見が何よりも重要です。
原因不明の腹痛や背部痛・黄疸・体重減少・糖尿病の急な発症または悪化がある方や、血縁者に膵がんご経験者がいる方はぜひ積極的にご相談ください。
みなさんのかかりつけ医と地域の中核病院や三重大学医学部附属病院の地域医療連携をベースとしたこのプロジェクトで、膵がんが疑われる方を日頃の診療から専門診療へつなぎやすくし、県を挙げて膵がんを見落とさない、早期発見・早期治療の体制づくりを目指していきたいと思っています。
「三重県 膵がん早期発見プロジェクト」に関するお問い合わせ
かかりつけ医かお近くの医療機関にご相談ください。
または、当院の総合サポートセンターにお問い合わせください。
三重大学病院 総合サポートセンター
059-232-1111(代)
月曜日~金曜日 8:30~17:00 (祝日、12/29~1/3を除く)