VOICE

産科婦人科 新教授

当院の産科婦人科が対象とするのは、周産期のお母さんと赤ちゃんのための周産期医療、婦人科特有のがんや疾患に対する診療、病気や治療などによる不妊を対象とした生殖医療という3つの領域です。
2025年1月1日、この科の教授を長く務めてきた池田現病院長からバトンを受け取り、産科婦人科学に新しい教授が就任しました。今回のVOICEは、大谷選手の50-50に突破力の重要性を再認識したという近藤新教授です。
それ行け!三重大学病院。それ行け!近藤新教授。全国トップレベルの産科婦人科診療を届け続けるために。

産科婦人科
科長・教授近藤英司

産科婦人科学の教授就任に際して、まずは抱負を聞かせください。


令和7年1月1日付で、三重大学産科婦人科学教室7代目教授を拝命いたしました近藤英司と申します。
伝統(レガシー)と実績のある三重大学産婦人科学教室を率いていく重圧はありますが、今後しっかりと教室を発展し、教育、研究、診療に尽力していきます。

少し話がそれるかもしれませんが、大谷翔平選手が昨年達成した50-50の記録が記憶に残っている方も多いと思います。彼がNPBに入る際に二刀流が話題になりました。プロ野球界の大御所たちは、実現不可能だと議論していたことを皆さま覚えていると思います。
しかし、彼はその批判をものともせず記録を達成し、今年は“投”の分野はお休みしていますが、“打”の分野で人類史上誰も到達できなかった50-50を達成しました。

常識を打破する突破力が重要です。医療においても同じことが言えると思います。私も必要なときにこの突破力を発揮していきたいと思っています。

これまでがんをはじめとする婦人科疾患の診療をリードしてきました。今後は、産科婦人科全体として、どのようなことに取り組んでいきますか。

これまで私は、三重大学病院とその関連病院において、手術責任者として27年間で延べ3,000件以上に及ぶ婦人科悪性腫瘍手術および内視鏡手術に関わってきました。特に最先端医療であるロボット支援下手術、腹腔鏡下子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌根治手術の導入を積極的に行ってきました。

そして、婦人科疾患に対する三重大学病院産科婦人科のロボット手術症例数は、2018年度から2020年度まで全国の大学病院の中で1位に、2021年度と2022年度は2位となりました(インテュイティブサージカル社調べ)。
こうした実績に基づき、婦人科疾患に対する全国トップレベルの診療を維持、強化してまいります。

また、周産期医療分野では、分娩の24時間対応かつ安全な無痛分娩を提供することで、少子化の時代にあっても分娩数を減少させることのないように取り組みを進めていきます。

生殖医療においても、新たに建設される新外来棟で設備と体制を強化する予定です。その上で、全国有数の体外受精の症例をさらに増やしていければと考えています。

産科婦人科学教授としては、研究・教育の推進も担います。

次世代、つまり若手の先生には、ぜひ手術の技術だけでなく、患者さんを第一に考えて診療にあたり、研究マインドを持ち世界へ羽ばたいていってほしいと考えています。そのために、若手のサポートにも全力で邁進します。

産科婦人科の新教授として、ぜひ患者さんにもメッセージをお願いいたします。

産科婦人科は、妊娠・出産・更年期と女性の一生に寄り添いながら診療していく科です。
三重大学病院の産科婦人科は、安全・安心な治療を目指し、新たな臨床治験などで新規薬剤も国際多施設試験に多数参加しています。三重県で最先端の治療が受けられる環境をさらに広げていきたいと思います。

産科婦人科 科長・教授
近藤英司

桑名市出身。大好物はすき焼きと餅全般。三重県にはいろいろ有名なお餅がありますが、やはり地元桑名の安永餅が一番のお気に入りです。
音楽は、中高生時代によく聞いていたマイケル・ジャクソンやプリンス、YMOが今も好きです。大学時代はスキー部に所属していましたが、現在の趣味はゴルフ。なかなか上達しませんが・・・。
産科婦人科医を目指したのは、周産期と婦人科腫瘍のどちらにも携われるという強みに惹かれたからです。子どもの頃から、生物すべてが好きで昆虫採集などにいそしんでいました。それが、生物を対象とする獣医学や医学への関心の起点だったように思います。

医療スタッフや事務職員、外部委託のスタッフを含め、三重大学病院の日々の運営に携わるのは、総勢約2500人。表から、裏から様々な形で関わるその一人ひとりの力や想いが、平常通りの診療を支えています。
安全な診療、優れた診療、質の高い診療、いずれも技術や設備だけでは成し遂げられません。
VOICEのコーナーでは、いろいろなスタッフの声を通して、三重大学病院の診療に欠かせない「人」としての側面をお伝えします。

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