医療と防災イメージ

新人職員による消火訓練を実施

「医療と防災」の2回目は、当院の災害対策の中心的組織である災害対策推進・教育センターの看護師が先日行われた新人職員向け消火訓練について報告します。

137名が消火訓練に参加

当院に入職すると、当院の医療活動に携わる者として必要な研修を数多く受けます。その一つが防災研修です。
この4月も、医師、看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、放射線技師など、新入および入職一年目の職員計137名が、まずは火災をテーマにした防災研修に参加しました。
津北消防署の職員と当院に設置されているエネルギーセンターの職員の協力を得て、火災対応に関する講義や火災発生時の基本対応となる消火器と消火栓(消防ホース)の使い方を学ぶとともに、実技として初期消火訓練を実施。参加者は、初めて扱う消火栓などに戸惑いながらも、訓練の大切さを学んでいました。

参加した新人職員からは、「消火器の操作を実際に体験できたことが良かった」、「”火事だー!”と大声を出すことが大切だと感じた」、「ホースの水圧(反作用)が強くて驚いた」、「大事なことなのでもう少し時間がほしいと思った」などの感想が寄せられました。

消火栓を用いた20m以上の放水体験
消火栓を用いた20m以上の放水体験

なぜ病院での消火訓練が重要なのか

消防庁防災情報室の報告によると、令和4年に国内で発生した総火災数は36,375件、そのうち病院火災は83件(負傷者11名、死者0名)でした。
全体における病院火災の割合が高いわけではありませんが(0.4%)、病院や診療所などの医療機関は、消毒用アルコールや医療用酸素など、出火や延焼を招く可能性の高い薬品や機器が多数設置されていることから、出火のリスクに常に留意する必要があります。
また、自力では避難ができない患者さんも多く入院・通院されており、避難誘導に時間を要することや、夜間休日では少人数の職員で同時に通報、初期消火などの初動対応をしなければならないことから、火災発生時に人命の危険が極めて高い場所であると考えられています。
そのため、病院職員には、火災を起こさないための日々の行動、万が一の出火時の迅速な消火や避難誘導を行うための知識やスキルが必要とされます。

火災発生を想定した三重大学病院の防災の取り組み

よって、三重大学病院で年間を通じて行われている様々な防災訓練のうち、火災に関わる訓練も複数回含まれています。
今回新人職員が受けたような座学や消火訓練の他、全職員が定期的にE-learningで火災対応マニュアルを確認したり、病棟での消火栓を使った訓練、手術室での火災を想定した訓練、避難誘導の訓練、また、はしご車を使った避難訓練などを実施しています。

消火器を素早く操作し、火元に向ける訓練
消火器を素早く操作し、火元に向ける訓練

みんなで確認しよう!消火器の使い方

火災発見時は「火事だー!」と大声で叫び、火災の発生を周知することが大事です。これは、病院だけでなく、皆さんの職場や家庭でも同じです。一人だけで対応しようとせず、周囲の人に助けを求めましょう。
そして、延焼を防ぐための初期消火としては、消火器がとても有用です。当院でも、消火器の使い方は、定期的に確認し、いざという時に迷うことなく使えるように備えています。
皆さんも下記を参考にしながら、ぜひ今日、使い方を再確認してみませんか。

いざとなると意外に戸惑うもの。動画も一度ご覧になってみてください。

総務省消防庁ホームページ 「消火器の使い方」
https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat67/cat49/cat43/1-14.html

災害対策推進・教育センター 担当:[あ]

三重大学病院は、万が一の災害時に地域の救急医療を担う「災害拠点病院」に指定されています。
災害発生時に、災害による負傷者への対応だけでなく、入院患者さんの医療を継続するという複数かつ重要な役割を適切に実行できるよう、当院では平時から様々な取り組みと準備を行っています。
Online MEWS「医療と防災」では、当院の防災対策やみなさんに役立てていただける防災のヒントをお伝えしています。

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