健康一言アドバイス

食べる機能が落ちてきたときの食事(嚥下調整食)

食べ物が喉に詰まって起こる世界中の窒息事故のうち約3割が日本におけるものです。
適切な食品を選んだり、ひと手間加えることで窒息や誤嚥(飲食したものなどが気管に入ってしまうこと)なく、安全に食べることができ、同時に食べる楽しみを維持することもできます。

誤嚥のイラスト

柔らかいもの

食べる・飲むといった機能(摂食・嚥下機能)が低下してくると硬いものが食べにくくなるため、柔らかい食事を選択する必要があります。
プリンやヨーグルトなどほとんど噛まずに食べることができるものは、摂食・嚥下機能がかなり低下しても選択できる食品です。また、硬いものが食べられないのは、義歯が合わないことが原因になっていることもあるので、義歯を調整することで食べられるようになることもあります。
柔らかくても付着性の強いお餅は、窒息のハイリスク食品で、海外ではDeadly Japanese Snack(死に至る日本食)として恐れられているほど。摂食・嚥下機能が落ちてきている方は避けるべきものの一つです。

とろみの活用

刻んだ野菜のようにばらつきやすいものも誤嚥しやすくむせやすいため、ゆるいあんかけにして、とろみでまとまりやすくするとよいでしょう。水分でむせる場合も、とろみ剤などを活用して少しとろみをつけるとむせずに飲むことが出来ます。とろみはつけすぎると付着性が高まり、逆に誤嚥リスクが高まってしまうため、むせない程度に適度に調整してつけるのがポイントです。
また、摂食・嚥下機能が低下している方は、お味噌汁のように固形物と水分の両方がまざったものは、非常にむせやすくなりますので、注意が必要です。
しっかりした味や温度のメリハリがあるもの(食事の温度が体温と20度程度差がある)の方がむせにくいため、味や温度のエ夫で食べやすくなります。

摂食・嚥下機能が低下したときのレシピ「温玉粥」

中鎖脂肪酸油は食事の味を変えないため、お粥や汁物に混ぜることで摂食・嚥下機能が低下していても簡単にエネルギー補給が出来ます。

温玉粥

材料(1人分)

ごはん茶碗1/2杯(80g)
3/4カップ強(160ml)
温泉卵1個
めんつゆお好みで
中鎖脂肪酸油(MCTオイル等)大さじ1(14g)

作り方

  1. 耐熱容器にごはんと水を入れ、ラップをせず、電子レンジ(500W)で6分加熱。
  2. 電子レンジから取り出し、一度かき混ぜてからラップをかけ、10分蒸らす。
  3. 中鎖脂肪酸油を加え、混ぜ合わせる。
  4. 温泉卵を添え、お好みでめんつゆなどを加える。

(1人分の栄養量)

カロリー320kcal
たんぱく質7.0g
食塩量0.2g
※めんつゆ含まず

リハビリテーション部 言語聴覚士 堀 真輔

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